失敗しない前撮りのコツを、ウェディングフォトグラファーが伝授

失敗しない前撮りのコツを、ウェディングフォトグラファーが伝授

写真/ビデオ
Updated: 2021-08-27
この記事では結婚式の前撮りを成功させるコツを、ウェディングフォトグラファーのEDAがお伝えします。撮影当日のちょっとした心構えや工夫一つで一生の思い出になる二人らしい写真が残せます。これから前撮りをする方は参考にしてください。

前撮りをリラックスして楽しむためのコツ

結婚式の前撮り撮影をするにあたり、皆さんは何を想像しますか?アイテムや衣装、肉体改造について?悩みは尽きませんよね。

この記事では気持ちの面のお話、心構えのお話をします。

前撮り撮影ではリラックスすることが一番大切だからです。

前撮りの心構え(1)デートにカメラマンがついて来たと思うこと

結婚式の前撮りだからといって「今日はカメラマンに撮ってもらう」という気持ちでいると、それだけで緊張してしまうものです。「友達にスマホで撮ってもらう」ぐらいのテンションが一番いい写真になると思います。リラックスして会話する二人の空気をそのまま切り取ると自然な表情に仕上がるからです。

「カメラマンに撮ってもらう時間」と思うより「二人で出かけるけどたまたま写真に撮ってもらえてラッキー」と思った方がリラックスできると思いませんか?デートにカメラマンがついてきたと思って挑んでください。

二人が出かければ場所はどこだって「デート」です。

ロケーションはどこがいいか悩まれる方も多いですが「どこに行きたいか」でいいのです。緑が多い場所、海、二人の地元、全部いいですね。「そこに行きたい」という気持ちが、単純にその場を楽しめることに繋がります。

前撮りの心構え(2)ポージングはあってないようなものだと思うこと

実はカメラマンになる前、私自身新郎として結婚式の前撮りを経験しました。その時の前撮りは少し硬いものでした…。2月の小雨が降るか降らないかという曇天の中「背中合わせに腰掛けて笑顔ください」というリクエスト。寒い中での厳しい注文に私自身ポーズを決めて撮影することが苦手になってしまいました。

私の場合は動きながら話しながら、時にはファインダーを覗かず撮影して、自然な表情を撮りたいと思っています。

ポージングはしっかりつけた方が好きという方もいらっしゃると思います。私も決してポーズをつけないわけではありません。「こうしてください」とポーズをつけられたとしても、それは「動いてはいけない」というわけではないのです。

新婦さんは髪の毛が風になびいて顔にかかれば自分でかき上げていいですし、ブーケを持つ手が疲れたら下ろして大丈夫。新郎さんはポケットに手を入れてみてもいいですし、入れっぱなしのスマホに気付いたら後ろのポケットに移してもいいのです。「動いてはいけない」と思わなければ、動きや表情も自然になり作った感じが出づらくなります。

例えばこちらの秋の曽爾高原(奈良県)での写真。

11月の高原は寒く「暖を取る意味でくっつきましょう」と寄り添ってもらったシーン。新婦さんが後ろから包み、目を合わせて会話する二人をたまたま撮れた一枚です。

カメラマンの私がこう撮りたくて撮ったのではなく、それぞれが思い立った行動の結果撮れた写真です。つけたようでつけていないポージングが素敵だなと思います。

前撮りの心構え(3)カメラマンを意識しないこと

前撮りカメラマンを「カメラマン」と意識しないことが大切です。「丁寧にしないといけない」「初めて会うから緊張する」当然の気持ちです。しかしそう意識してしまうとこわばってしまいます。体も気持ちも柔らかくリラックスできるといいですね。

前日から雨予報の前撮りでの写真。元々海で撮る予定だった二人でしたが、霧が出ると予想して私の提案で和歌山の生石高原に向かいました。雨で制限も多いからこそ、様々なシーンを残してあげたかったのです。

途中の山道で既に出ていた霧。霧に気づいた瞬間のテンションを大事にしたくて、車を停めて撮影した一枚です。リラックスして霧を感じている自然な姿が撮れていると思います。

「霧が出てる!ちょっと車停めて!」って、もはや友だち同士のようですよね。

この記事のまとめ

結婚式の前撮りは「カメラマンに撮影してもらう日」ではなく「デートにカメラマンがついてきた」と思ってください。ポージングはあってないようなものだと思うと自然な動きや表情が撮れます。カメラマンを意識しない方がナチュラルな二人の空気感を写真に残せるでしょう。これから前撮りされる方は是非リラックスして楽しんでください。

presented by
Photographer
Hiroaki Nishimiya a.k.a EDA
アパレルブランドの接客販売職を経て2013年に写真業界へ転身。接客+カメラをやりたいという気持ちからウェディングフォトを主軸に活動中。